柿ノ木坂ケイの「チョット気になるお墓の話。」 コラム 36:マリーゴールドは死者の花?|いい お墓
今年7月の、熱中症で救急搬送された人は5300人程度で、去年の1万人超えから58%減だったとか。8月も例年より「夏らしい日」は少なく、有難いような物足りないような。
朝晩の風に秋を感じるこの頃、唯一、庭に咲くマリーゴールドが色鮮やかに夏のエネルギーを伝えてくれているように思う。
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この花を、「旅行先のメキシコの墓地で見た」と聞いたことがある。その友人に写真を見せてもらうと、当たりが暗く、墓地全体でロウソクが灯されている中、白いお墓にオレンジ色のマリーゴールドが「これでもか」というぐらい供えられているのがわかる。
メキシコでは「死者の日」と呼ばれる期間、11月1日の夜に祈りが捧げられた後、2日の朝にかけて、そこかしこで歌や踊りが始まり屋台まで出ての騒ぎだったとか。
また、家には祭壇を作り、亡くなった方の写真、水や塩、お香、砂糖でできたガイコツ、その他供え物、そしてセンポアルショチトル(マリーゴルド)が飾られるという。
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「死者の日」。調べてみると、死んだ人の魂を迎える行事、日本で言えばお盆やお彼岸にあたるようだ。11月1日・2日は、スペインの侵略後に布教されたカトリックが定める「万聖節」「万霊節」の日ではあるものの、以前からの伝統的な風習も踏まえた儀式のようだ。
ところで、なぜマリーゴルドなのか。
「死者の日」には、家に作られた祭壇から入り口にかけて花びらを敷き詰めるとか。あの世から帰ってくる人が迷わないよう、導くための道と考えられているそうだ。
中国では〈臭芙蓉〉とも呼ばれるように、独特の臭いがその役目を果たすからなのか。
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夫が好きで毎年植えている花が、メキシコでは供花として考えられていることに最初は違和感があったものの、考えてみればマリーゴルドはキク科。〈万寿菊〉〈千寿菊〉という別名もあるようだ。
「お墓や祭壇(仏壇)に菊」ということであれば、日本人にとってもお馴染みの組み合わせとなる。カラフルな祭壇やお墓でのお祭り騒ぎなど、メキシコの「死者の日」にはラテン系の明るさを感じるけれど、一方そんな共通点があったとは。
それにしても、人はいつから死者のために花を捧げたのだろう。
1951年~60年にかけて、イラクのシャニダール洞窟でネアンデルタール人のお墓が発掘された。そして、その周辺の土から、付近に咲く7種類の花の花粉が発見された。
それは、今日と同じく、亡き人を想いながら手向けた花なのだろうか。もしそうだとしたら、その存在は何万年の時を超えてグッと近いものとなる。
ネアンデルタール人は人類として最初に埋葬を行っていたことが判明したことなどにより、高度な精神性を持っていたと判断され、その後、わたしたちと同じホモ・サピエンスに分類されるようになったのだという。
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